オタクの落書き帳

脳が働かない人間の戯言

【紹介する気のない紹介記事】最近消費したおすすめのコンテンツたち

 年明けから年度末にかけてバカみたいに忙しかったが、年度が変わってだいぶ余裕がある時期に差し掛かってきたせいか、やたらラノベとかアニメとか消化した1ヶ月なので、最近読んだり見たりした中でおすすめできそうなものを紹介しようと思う。

 多少はネタばれに配慮したレビューになっているが、語彙力が貧弱なため、薄っぺらくぼんやりとしたレビューになっている。読みたい本を決めたいっていう人には参考にならないので、もの好きな人だけ読んでくれればいい。

 

 

【小説・ライトノベル

 古くよりラノベばかりを読んできたラノベキッズである私、25を迎えてしまった今でも買う本の大半はライトノベル。脳みそが全くもってキッズなため、未だに純ファンタジーを読むとわくわくしてしまうもの。

 まあ大体の同年代の人たちはもうラノベなんて読まないとはわかっているけれど、たまに読んでみると結構最近のラノベも面白いので、ぜひ読んでほしい。

 1.探偵はもう、死んでいる。 / 二語十(MF文庫J

mfbunkoj.jp

【評価ポイント】

・王道的展開をこれでもかと詰め込んでオタクの性癖を狙い撃ちしてくる

・嫌味のない程度で適切に発動してくる、巻を追うごとに切れの増すご都合主義

・「冴えカノ」を彷彿とさせる、読みやすくテンポの良い会話

 

 

 すき~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!(くりぃむしちゅー有田)

 2月くらいからガッツリはまった作品。非常に僕好みの展開が詰まっていて好きです。

 ライトノベルはヒロインがいてなんぼみたいなところがあるんですが、この作品のヒロインのシエスタは「開始時点で死んでいる」。まさにタイトルのとおりです。しかし死の真相については何も明かされておらず、読み進めていくうちに明かされていくという感じ。かといってミステリかというとそうではなく、公式の紹介でも「闇鍋」と言われるくらい、いろんなジャンルがごちゃまぜになっている作品。

 「ご都合主義が」と言われがちなこの作品ですが、読者が「来るだろ!」って思うにはこれくらいないくらいのタイミングでご都合主義が発動してくれるのでさほど気になりません。実際ご都合主義は濫用されると非常につまらないものだけど、ちゃんと伏線は張ってはいるし、伏線は回収されるとご都合主義だろうと基本的に気持ちいいので、もっとやってほしい。昨今のラノベは勢いで読ませに来るタイプのものが多い中、これはそのタイプの急先鋒といってもいいので、じっくり読みたい人にとっては合わないかもしれない。

 ところで、このラノベ今月からアニメになるんですよね。というか、もう始まってるんですよね。第1話見ました。作画も大丈夫。曲も良い。でも正直めっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃ不安。ほんっとーーーーーーーに大丈夫?不安で昼と夜しか眠れません。

 

2.時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん / 燦々SUN(角川スニーカー文庫

sneakerbunko.jp

 

 

【評価ポイント】

・「絵ラノベ」ということもあるせいか、シナリオはラブコメとしては普通。しかしてスッキリと読みやすい「優等生ラノベ

・登場人物の1人「周防有希」の設定が大変好み

・1巻は顔見せがメインだったので今後の展開に期待

 

 ラノベ界隈では「ハルヒ以来18年ぶりに特大増刷」「5年に1度クラスの大物ラノベ」としてもてはやされている作品。

 正直に言うと普通。だがそれがいい、という感じ。

 「ロシア語で銀髪美少女がデレてくれる」と「サブヒロインの設定」以外はマジで普通のラブコメ。ロシア語ではあるもののやっていることは主人公が心の中を読めるタイプのラブコメと大して変わらないので、真新しさがあるかといわれると難しいところ。とはいえ、ラブコメにしてはアーリャと主人公の政近が(表には出さないけど)シナリオ開始時点で結構相思相愛な感じなので、(今のところ)三角関係等もなく、すっきり読める感じだと思う。

 この作品の中で個人的におすすめのキャラはアーリャと並び2大美少女の片割れと言われている周防有希。まあ大概の人間はアーリャになると思うけど、ラノベファッションオタクほど有希を選ぶと思う。オタクはギャップ萌えがとことんまで好きなので(どうして有希がギャップ萌えに当たるかは読んで確かめてね)、有希みたいなキャラがいると簡単に落ちてしまう。何より顔が良い。いやラノベの女はみんな顔が良いんだけど、そうじゃないんよ。

 シナリオの塩加減の良さが80点、有希で10億点という感じ。普通に優等生ラノベだと思います。

 なお、8月1日に2巻が出る予定です。多分買います。

 

3.モブしか勝たん! お前らが俺にデレデレなお嫁さんになるって本当なの? / 広ノ祥人(MF文庫J

mfbunkoj.jp

 

【評価ポイント】

・猫屋敷ぷしお先生の美麗イラストもさることながら、高校生らしい向こう見ずな突っ走り姿勢に好感

・王道系の青春ラブコメでありながら「未来のやんちゃ嫁」は(薄々予想がついているが)どっちか、というミステリ?要素も

ラノベの学園モノ特有の多少の無茶な展開はもはやご愛嬌、ちょっと俺ガイルに近い?

 

 主人公の年齢というものが印象に与える影響というものは大きなもので、主人公が「この世界、~」と同じように調子に乗ったような感じを出していてもリアルに高校生だったら腹が立たないもの。

 主人公の香坂はじめ校内でも目立たない3人が廃校になる学校を救うためにあの手この手を使って奔走し自分のやりたいことを見つけていく……という、まあよくある展開であるが、その一方で香坂が将来の嫁(どうやらこの嫁は香坂と一緒に廃校を阻止するために活動している仲間の女子2人のどちらからしいのだ)との生活を明晰夢として見ていく中でこの嫁の正体が誰か探っていくというちょっとしたミステリ要素もある。この2つの要素がうまく噛み合っている上、香坂の性格や行動原理もうまく生かしての話の展開の仕方もよく、いいシナリオでした。オチも次巻を確実に見据えているいい引きだった。

 恋模様というかヒロイン同士の関係としては「ろしでれ」と対照的に三角関係を大いに匂わせるような感じ。雰囲気的には「俺ガイル」のゆきのんとガハマさんに近いものがある。両方とも主人公に塩対応だし。

 「ろしでれ」同様、猫屋敷ぷしお先生という美麗イラスト絵師(個人的に絵柄がどストライクで超好み)を起用する「絵ラノベ」ではあるものの、アイデアとしては「ろしでれ」と同等かそれ以上のものを感じた。良作。次巻も買うつもりです。

 

4.スパイ教室 / 竹町(ファンタジア文庫

www.kadokawa.co.jp

 

【評価ポイント】

ファンタジア大賞《大賞》に相応しい、真っ向勝負なスパイファンタジー

叙述トリックをふんだんに盛り込んだ、先の読めない展開

・個性的で魅力的な少女たちだが、人数が多いためひとつの場に出す人数をある程度絞らないとキャラが浮いてこないのが難点

 

 これぞライトノベル、と満を持して押せる作品。

 20世紀からゼロ年代、10年代とライトノベルの傾向は大きく変わってきている中で、この作品は真っ向から時代に逆行してきたゼロ年代ラノベだと思う。

 また、この作品も「たんもし」同様、一見ご都合主義的に見える伏線がそこかしこに隠れていて、読者をあっと言わせるような仕掛けになっている。ただ、この作品の一番おもしろいであろう叙述トリックについては、何よりも紹介文で「あなたはきっと騙される」と言ってしまっているがゆえに、読者に警戒心を抱かせてしまい、結果としてトリックがバレてしまったり、暴かれたときの驚きが薄まったりしてしまっている。僕も実際に読んでいたときかなり警戒していて、本来絶対に気づくべきでないところで気づいてしまってあーあとなってしまった記憶がある。

 これがわざとなのか、それとも読者がこういうのを見て読みたくなると思っているのかわからないが、「城之内、死す」みたいなことを予告や紹介文でやってしまうのは正直あまりよくないんじゃないかな、と思っている。こうして察しの良い読者が先に気づいてしまうようなやり方をすることで読者が「後出しじゃんけんだ!ご都合主義だ!」と喚くことを阻止しているのだとしたら、シナリオを書くというのも随分やりづらい時代になってしまったんだな、と少し悲しくなった。

 しかして、この1巻こそ煽り文のネタバレがあれど、巻を追うごとに面白さ・キャラクターの魅力が加速度的に増してくる。僕は3巻(7月時点の既刊6冊)まで読んだが、1巻に比べて圧倒的に3巻のほうが面白かった。1巻はシナリオの方向性のせいか割とキャラクターの色が出ていないので、それぞれのキャラがきゃいきゃいするようなラノベラノベした展開は2巻以降のほうが出ている。お約束もあるし。1巻で「あんまりだったな」と思った人ほど、その先の続刊を見てほしい作品。ちなみに僕の推しはモニカです。顔よし性格よし声よし。無敵。

 

5.余命3000文字 / 村崎羯諦(小学館文庫)

www.shogakukan.co.jp

 

【評価ポイント】

・売り込み通り、1話5分程度で読めるお手軽さ

・読んでて全く飽きのこない、バリエーション豊富な舞台設定

・切なくなったりすっとしたりもやっとしたり、読者に様々な感情を残す独特な読後感

 

 ここ最近読んだ中で1番面白かった。

 本当に朧気な記憶ではあるんだが、(主に地獄みたいな作品たちを漁るために)僕がなろうを少しだけ読んでいた時代、うっすらとこの作品の数話に目を通したことがあるような気がする。それを抜きにしても、1つ1つの話がユーモアに溢れていてすこぶる面白かった。なろうで文学ジャンル1位になっていたのも頷ける。それだけ魅力的な作品だった。

 僕はさーっと全部読み進めてしまったが、これは本当に1日1話くらいのペースで読むくらいでちょうどいいと思う。寝る前に1話読んで、じっくり話の意味を考えて、咀嚼して、消化して、寝る。これだけで1ヶ月、色々な独自の世界の色々な人に出会い、それぞれの結末を見送ることができる。なんと素晴らしいことであろうか。

 収録されている作品の内容について1文字でも語ろうものならその作品の面白みが削れてしまうような気がするので、あえてこの場では何も語らないようにさせていただく。いや単に僕の表現がこの作品の良さを伝えるのに足りていないだけなんですけど。

 一ついうならば、表題の「余命3000文字」をはじめ、何をどうやったらこんな設定が思いつくんだろうと何度も思うくらいにアイデアが詰め込まれていた。きっと日常的に様々な要因からヒントを得ているのだろう。それだけの説得力があるバリエーションの豊富さだった。文句なしの満点。傑作。続編は…出るなら買いたい。

  

6.嘘嘘嘘、でも愛してる / 川田戯曲(ファンタジア文庫

www.kadokawa.co.jp

 

【評価ポイント】

三者三様、癖が強いヒロインとのラブコメ

・しかしその裏で展開される、嘘にまみれたミステリ要素

・誰が犯人なのか、最終章まで油断のならない緊張感ある展開

 

 「スパイ教室」が大賞を受賞した回の〈金賞〉。この回の受賞作品のレベルが高すぎる。

 ライトノベルの特徴として、ヒロインが主人公の命を狙っているというアイデアはある種避けられてきた(しかも仮に狙っているという紹介があっても、実際はヒロインでない別の人間が仕組んだ罠であるケースが圧倒的に多い)という印象がある中で、堂々とこの作品はそこを突いてきた。いうなれば、ライトノベルでありながらやっていることは一般文芸じみててメディアワークス文庫っぽい雰囲気を受ける。

 「スパイ教室」と違い、こちらは本当に最後まで誰が仕掛けようとしていたのかわからない。これだと言い切れる確たる証拠が出てこないからだ。シナリオ内における重要な情報は主人公・くー助(主人公の名前が一切出てこない、というのはハルヒにもあるが、ミステリでこれをやられるのはなかなかに怖い)の取り戻す記憶がすべて握っている。ので、いつまでも外堀だけが埋まっていく中で、本丸だけが埋まらないという状況で謎を追っていくことになり、読者はハラハラしたまま読み進めていくことになる。この緊張感がついページを捲る手を加速させる。気がつくと、核心に迫っているのだ。

 1巻を読み終わり、満足したところでてっきり読み切り完結だと思っていたのだが、どうやら2巻が出ているらしい。この状況からどうやって…?と気になってたまらないので、僕も近いうちに2巻を買う予定。

 

 以上6冊が小説系のおすすめ。ラノベに関しては特に最近のものから引っ張ってきたが、明らかに10年前とはトレンドが変わっているな、という印象が強い。設定系ラノベ、キャラ系ラノベ、絵推し系ラノベといった体系づけがはっきりとしていて、個人的には「ラノベのエロゲ化」といってもいいような気がしている。

 この期間中に「ブラック・ブレット」や「人類は衰退しました」といった今では古典となってしまったラノベも読んでいたが、最近のを読んでいるとライトノベルのライト感が増してしまっているような気がしてどうしてもブラック・ブレットのような濃厚豚骨厨二病全開な堅苦しいラノベというのが恋しくなって読んでしまうのはあるなという感じ。どっちも面白いからなんでもいいや!

 

 

【アニメ】

 僕はなかなかアニメを見る人間ではない。ちょっとした原作過激派みたいなもので、アニメを見るくらいなら原作を読んだほうがいいと思ってしまう人間である。

 ただ、なんか6月はちょっとアニメを見たので、とりあえずまとめておく。評価ポイントはなしで。

 

7.ホリミヤ(原作:HERO、萩原ダイスケ)

horimiya-anime.com

 

 ホリミヤは原作……というよりは萩原さんの描いたほうの漫画をずっと読んでいた(借りていた、が正確なところだけど)ので、話の良さ自体は知っていたんだけど、アニメ化するにあたって何かと理由をつけて遠ざけていた節があった。

 そんな感じで放映からしばらくほったらかしにしていたのだが、ウマ娘2期を見終わったあと、勢いのままに大して評判がよろしくはなかったアニメを立て続けに視聴切りし、もう見るものもないか…と思っていた矢先に目に飛び込んできたのがホリミヤ

 あまり周りから評判を聞いていなかったのでややも不安があったが、いざ見始めてみると原作並みの作画の美麗さに驚く。しかも話数が進んでいっても全然崩れる気配なし。もしかして大当たり?と思い視聴していく中で、昔読んでいた漫画の記憶がどんどん蘇ってきて楽しかった。

 1クールで全部収めなければならなかったせいか、展開が駆け足になってしまったのは非常に惜しいところではあるが、それを抜きにすれば覇権さえ十分に狙えるアニメだった。

 そう、同期がウマ娘でさえなければ……。

 思い出補正を抜きにしても十分に強いアニメだったので、原作を見た人も、見たことがない人もぜひ視聴してほしい。

 もう流石に2期はないと思うが、もし2期をやってくれるとするならば、オムニバス形式でいいのでミャムラともどもやってくれれば僕はもう何もこのコンテンツに対して心残りはありません。

 で、調べてて気づいたんですけど、これ実写化してたんですね。映画かドラマ見た人、どんなだったか感想教えて下さい。

 

8.プリンセス・プリンシパル

pripri-anime.jp

 

 ちょ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~よかった。

 イラストが黒星紅白さんなのもあって、オムニバス形式だとちょっと「キノの旅」を彷彿とさせるんだけど、オムニバス形式だからこその面白さがはっきりと分かる作品だった。

 アンジェたちって何者?ケイバーライトとは?とまあ作品の根幹に関わる疑問がぽんぽん出てくるので、設定的には視聴者が置いてきぼりになってしまうが、アクションの爽快感がそのもやもや感を忘れさせてくれる。全体としての伏線がありながらも、個々の話で細かい伏線やきちんとした起承転結がまとまっているので、自然と話の中に引き込まれてしまう。

 ところどころガッツリ暗い話が割り込んでくるのも実にキノっぽい。かと思えば次の話は時系列が飛ぶので登場人物たちの気持ちの切り替えが済んでいるので、ウマみたいにずるずる引きずるってのがあまりなく、ある意味ストレスレスに見ることができるのも好感。

 「女子高生」と謳ってる割には女子はあるものの「高生」の要素は少ないが、ぶっちゃけなくてもスパイ×スチームパンクってだけでめっちゃ面白かった。気がついたら3日くらいで全話見終わってしまってた。

 続きは映画館らしいので、全部終わったらDVDでも借りて見ようと思う。劇場版商法についてはノーコメントでお願いします。

 

 

 以上8点。気が向いたらここに追加したり、次回の紹介にのっけたりすると思うので、気が向いたらまた覗いてください。

 またね~。